ある海外の本を読んでいたら、こんなことが書かれていた。
「詐欺師になったつもりで、それでいて最善を尽くせ」
言葉の意味はこうだ。
価値の無いものや、価格につりあわないものを販売するときはもちろん、振り込め詐欺などのように人をだましてお金を奪い取るときも、その過程で相手がつまづかないように、道筋を相手の立場に立って、親切丁寧に作っておく必要がある。
一番分かりやすい例が振り込め詐欺だ。
- 電話の向こう側にいる相手が、どうすればこちらを信頼してくれるか。
- どんな伝え方をすれば、間違わずに指定口座に振り込んでくれるか。
- 何を言えばすぐに動いてくれるか。
スムーズに詐欺を働くには、こちらの視点で物事を運ぼうとしてもうまくは行かない。あらかじめ被害者の視点でよく考え、詐欺の過程で起こる妨害を予想し、対応しておかなければならない。
まっとうなビジネスをおこなっている私たちは、時として忙しさに流されて「自分の都合」でしか考えることができなくなる。
実店舗なら、店が汚いだけでもお客さんの信頼はガタ落ちなのに、それを忘れて掃除が行き届かなくなったり。
ネットショップなら、いかにも素人っぽいショップや、運営者の顔が見えないお店がお客さんを不安にさせることを知っていても、他の事に忙しくて手が回らなかったり。
もっと具体的な例を言えば、振込口座の表示。
ネットバンキングが主流になりつつある今、お客さんに知らせる振込先名義は、ネットバンキングで求められるフォーマットで教えてあげる必要がある。
詐欺師なら、そのまま入力すれば必ず振り込める形に直して伝えるだろう。
がネットショップを見渡してみると、いまだに難しい漢字そのまま表示して、株式会社などの言葉もそのまま明記しているところがとても多い。
(ネットバンキングは名義人を全角カタカナで、株式会社は カ) と入力するなどの決まりがある)
詐欺師なら、わざわざ「株式会社悪徳商会」などと伝えずに、「カ)アクトクショウカイ」と伝えるだろうし、個人名なら、「悪乃悪男」とせずに「アクノワルオ」と伝えるだろう。
かくいう私も、同じ過ちをずっと気がつかずに犯してきた。だから分かる。ショップ側に悪気は無いんだよ。ただ単に、お客さんの視点で考える暇も余裕も無いんだ。
だからある日突然届く、「何度やっても振込ができないじゃないか!お前は不親切だ!!」という、お客さんからのクレームメールでびっくりしたりする。(実話 (^_^;))
でもさ、せっかく俺たちは素晴らしいものを扱っている真っ当な商売人なんだから、詐欺師になんて負けてられないよね。
視点だけは詐欺師を参考にして、それでいて最高のビジネスをしていこうぜ。












