俺たちが自分のポッケからお金を払って映画を見る時、その映像がまるで素人が携帯電話で撮影したような映像であり、
そして、圧縮しすぎて、まるで2匹のサルがお風呂のなかで喧嘩をしているような音声が乗っかり、
更には、俳優が緊張しすぎて文脈とは関係の無いところで大量の発汗、
ストーリーラインも、「時は江戸時代、一人の伯爵夫人がイギリスから浅草へと流れ着き、生きるために猿回しをしながら日銭を稼いでいた...と其の時、彼女の目の前に、その後の人生を変えることになる一人の若者が現れた...男は顔中にパズルのコマのような刺青をぎっしりと彫り込み、頭はスキンヘッド。腰にはキビ団子をぶら下げていた...」
などという内容だと、ハッキリ言って嫌な気持ちがすると思う。
映画に限らず、お金を払うモノに対して、俺たちはそれなりの期待値を持っている。本人は気がつかなくても、「これくらいは、あって当然」というラインを無意識に設定している。
だから映画に2000円近くはらってYouTubeで素人がアップしているようなアマチュア映像を見せられると、嫌な気持ちがする。画質だけプロっぽくても、他の部分が期待に反していたら、やっぱり素人っぽさを感じてしまうし、そんなものにお金を払ったんじゃない!!!金返せ!という気持ちにもなる。
この感情の動きの基にあるものが、「顧客期待値の法則」である。
プロ級のビデオカメラが安く手に入るからといって、誰もが映画デビューして大成功!とならないのは、ビデオカメラの性能だけでは顧客期待値の法則を満たすことはできないから。
プロと素人の間にある溝は、多くの人が考えるように「道具の差」にあるのではなく、実はそれ以外のところにこそ存在するのだ。
顧客期待値の法則に反すると、どんな高機能なカメラを使っても、「金返せ!」となるし、逆にどんなに画質が悪くても、カメラワークが極悪でも、それを効果的に使い、作品全体として期待を上回る内容なら満足してもらえる。(この映画のヒットはその良い例だと思う)
おなじ事はネットショップにも言える。
高機能ショッピングカートが格安、というか殆ど無料となった今、ビジネスの知識が無くても、商品知識がなくても、それこそ誰でも大手と変わらぬネットショップを持つことは可能となった。
でも、道具が同じになったからといって、それで同じレベルで競争が出来るかというと、そうは問屋が卸さない!というのは先ほど述べたとおりだ。
プロと素人の差は、道具以外のところにこそ存在する。
お金を払うお客さんが何を期待し、どんな内容を予測しているのかを理解し、最低限でもそれをクリアしなければ、どんな道具も意味をなさないのだ。
ではお客さんがネットショップに期待し、無意識に予測している内容は何だろうか。「期待値の法則」を満たすために、ネットショップオーナーが最低限クリアしなければならない内容には、どんなものがあるだろうか。
ヒントとしていくつか上げて見るので、続きは考えて見て欲しい。
- 最低限の法規の表示(お金を支払う相手が、最低限の法律を守っていないとしたらどう思うか)
- 運営者についての説明ページ(今からお金を払う相手が、自分のことを隠していたらどう思うか)
- 商品についての詳しい説明(手に取って確認できない不安を、お客さんはどんな説明で打ち消して欲しいと期待しているか)
- 詳細にわたる商品画像(同上)
- 返品、交換、保証などについての詳しい説明(2、3行の説明をチョロンと載せても逆効果だ)
- 文章をフォーマットして読み易く(読み難さイコール素人臭さ。HTMLやCSSの知識は必須!)
- 運営者の写真(仏頂面や場違いな真剣顔、自宅の居間で撮影しました(後ろに洗濯物の山)...的なものは、これからお金を払うショップにお客さんが期待するものだろうか?)
自分のショップを映画監督の目で見直してみよう。お客さんの期待に反する要素、「うげぇっ、素人臭ぇ!!!」と思わず鼻をつまんでしまう要素はないだろうか。
(あって当然!それを一つずつ改善し続けることに意味がある)
清水勇二












