なぜ私だけ、すぐに成功できないのか...
一人、ビーチを眺めながら思った。
なぜ難しいのか。なぜすぐに成功できないのか。それも私だけ...
それは、すぐに成功できるように世界が出来ていたら、全員が億万長者になって、全員がセレブリティーになってしまうはずなのに、実際はそうではないということを考えると、世の中がすぐに成功できるようなシステムにはできていないからだ、といえるだろう。
簡単な話だ。
などと言われても納得できねぇ!どこかに成功への近道がかかれた地図が存在するはずだ。だって、オンラインでたくさん売ってるもん!!
だって、実際に簡単に成功している人が存在するもん!!結果がでてないのは私だけだもん!
などと歯向かう弟子に賢人は言った。
それは違うぞ。実際、お前は会ったことがあるのか、そんな風に簡単に成功してしまった人達に。お前が言うような人達は、本当に成功しているのか?そもそも何を基準に成功と言っているのだ?記事風広告を出して「雑誌に取材を受けました!」といえば成功なのか?
そんなことより、お前は違う世界を生きていくべき人間なのだと言っているのに、なぜ分からんことを言うのだ。
いいか。お前が何かに挑戦して、壁にぶつかったとき、其の壁はお前に対する挑戦状であり、
お前さ、本当にその道に人生を費やす気持ちがあるの?お客さんの人生を巻き込んで、おまえ自身の家族の人生を巻き込んで、多くの人の責任を背負って生きていく覚悟があるの?
と、この世界がお前に問いかけているのだ。その挑戦状に対する答えが、成功者とそうでない人たちを分けるフィルターの役目をしているのだ。どうだ。わかったか。このやろう。
お茶漬けを食べながら賢者は続けた。
お前たちは、その挑戦状が目の前に叩きつけられた時、驚き、たじろぎ、そして叫ぶだけじゃないか。
責任?覚悟?聞いてないよそんなの。それに、そんな難しい話は嫌さ。ただ俺は、成功したいんだよ。成功するための近道を探しているんだ!現状から逃れるための手段を探しているんだ!!それはどこだ!!!
壁は黙して語らないよ。お前たちに与えられたのは、覚悟して進むか、それとも踵を返して来た路を戻るか。そのどちらかだ。
そして多くの人は来た路を戻り、近道が書かれているはずの地図を探し、ネット上をさまよう。永遠に。
本当に成功への近道が書かれた地図は存在するのだろうか。俺にはわからない。
その壁を乗り越えれば、成功は約束されているのだろうか。それも分からない。
一つだけ言えるのは、世の中で長期的に成功者と呼ばれる奴は、必ずと言ってよいほど「壁を乗り越えて」成功を勝ち取っているということなんだ!
そして、その壁を乗り越えるために必要な覚悟は、俺からお前に与えることはできない。どんな本も、どんなセミナーも、どんなおっさんの話も、お前に壁を乗り越えるための覚悟を与えることはできない。
要は、最後は、おまえ自身が、本当におまえ自身を信じて、信じて、信じて、信じちゃったのよ、らららんらん、と鼻歌交じりで他人の言うことや、世間の流れとは違う道を進み始めたときに、得られるものなんだ。
流されるな。人のせいにするな。時代のせいにするな。俺のせいにするな、このやろう。
お前がおまえ自身を信じなくて、誰が信じるんだ。お前が信じないビジネスに誰が金を出すんだ。お前がどうでも良いと思っている商品を誰が買うんだ。
ふざけるな!!!!でもがんばれよ。
そういうと賢人は鼻くそをほじり、出てきたモノをポーンと飛ばした。
孤を描きながら崖の下に落ちていく黒い塊を目で追いながら俺は、俺が俺を信じるってどういうことだろうか...と考えていた。
何か、俺の知らない新しい世界が存在するような、目の前の映像は全て偽モノで、本当はもっと別の、本来の自分が生きるべき世界が存在するような...そんな気持ちがふつふつと湧き上がるのを感じていた。
- 「賢人と私のアフガン生活884日の記録」、287ページより抜粋。
あなたは、自分を信じているだろうか?扱う商品、取り組む分野を信じているだろうか?そして壁を越えていく覚悟はあるだろうか?
俺は行き詰ったとき、自分にそう問いかけ続けた。そして軌道修正が必要な自分を見つけては直し、見つけては直しを繰り返しながら突き進んできた。
今だってその繰り返しだ。
もし自分が信じられないとしたら、自分のビジネスが、扱う商品が信じられないとしたら、どんな作業をしても、それは大事な青春をかける価値のないものかもしれない。
誰かを裕福にするために、大事なお金を無駄にしているかも知れない。本当に取り返しのつかない時間を、気がつかないまま時間泥棒に奪われているのかもしれない、よね。
清水勇二


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